広島高等裁判所 平成9年(ネ)304号 判決 1998年7月02日
控訴人(原告)
山中正憲
被控訴人
日本火災海上保険株式会社
主文
一 本件控訴を棄却する。
二 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第一 控訴の趣旨
一 原判決中、控訴人敗訴部分を取り消す。
二 被控訴人は、控訴人に対し、金一〇二五万六二五〇円及びこれに対する平成八年九月一一日から支払済みまで年六分の割合による金員を支払え。
三 訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。
四 仮執行宣言
第二 当事者の主張
原判決の事実摘示のとおりであるから、これを引用する。ただし、次のとおり訂正する。
1 原判決六頁二行目の「別訴」の後に「(広島地方裁判所平成二年(ワ)第二八五号損害賠償請求事件)」を加える。
2 原判決八頁末行から同九頁二行目までを、「2 控訴人の主張する腰部脊柱管狭窄症、両下肢不全麻痺及び虚血性脳血管障害の傷害は、本件事故前から存在した既存の身体障害(疾患)である脊柱管狭窄症、腰椎椎間板症及び胸腰椎黄(色)靭帯骨化症がなかった場合には発生しなかったものであるから、被控訴人には保険金支払義務はない。」と改める。
第三 当裁判所の判断
一 原判決の理由説示のとおりであるから、これを引用する。ただし、次のとおり訂正する。
1 原判決一二頁九行目の「第一三」の次に「、第一四」を、同一六頁七行目の「二〇」の後に「ないし二五」を加える。
2 原判決一九頁一〇行目から一一行目にかけての「既存の加齢変性の脊柱管狭窄症等」を「脊椎加齢変性に由来する既存の疾患(疾病)である下位腰椎変性性脊柱管狭窄症、腰椎椎間板症及び胸腰椎黄色靭帯骨化症」と改める。
二 そして、当審における主張も右認定判断(原判決引用)を左右するに足りない。
なお、別訴の証拠であった医師大谷清作成の鑑定書については、控訴人においてこれを原審証拠である甲第二〇号証として提出したものであるが、一件記録を精査しても、控訴人主張のごとく大谷清医師の中立性及び公正さについて疑念を抱かせるような特段の事情を見いだすことはできないのみならず、その鑑定資料及び手法等に照らしても右信用性を損なうような点は存しない。
第四 よって、原判決は相当であり本件控訴は理由がないから棄却することとし、主文のとおり判決する。
(裁判官 東孝行 菊地健治 河野清孝)